靴を変えると膝が不安——足元と可動域を一緒に見直す考え方
予約のきっかけ——靴を変えてから膝が不安になった
ゴルフを続けたいFさん(仮名)は、以前より動きやすい日が増えていたものの、靴を変えてから膝のチクチクした痛みと、片側の足首・股関節の動かしにくさを感じて来店されました。特定の靴では比較的楽でも、別の靴では膝が心配になるというご相談でした。
靴は地面から受ける力や歩き方に影響しますが、「柔らかい靴なら必ず良い」「高機能な靴なら治る」とは言い切れません。痛みの場所、足の乗り方、靴底の摩耗、関節の動き、活動量を合わせて考える必要があります。
研究では“特別な靴が常に優れる”とは限りません
内側型の変形性膝関節症164人を対象にした無作為化試験では、膝の荷重軽減を狙った靴と通常の歩行靴を6か月比較しました。歩行時痛と身体機能の改善量に、明確な群間差は認められませんでした。どちらの群でも改善がみられたため、履きやすい歩行靴そのものや経過観察の影響も考えられます。
図2・荷重軽減を狙った靴と通常の歩行靴の6か月後の群間差

図が示す内容と注意点:歩行時痛の群間差は0.0(95%信頼区間 −0.9〜0.8)、身体機能は0.3(−3.2〜3.7)で、追加的な優位性は確認されませんでした。変形性膝関節症を対象にした研究であり、すべての膝痛にそのまま当てはまるわけではありません。出典:Hinman et al., Ann Intern Med. 2016;165:381–389. PMID 27398991。
施術前に確認したこと
足首を曲げ伸ばしする動き、足裏のどこに体重が乗るか、親指側と小指側の使い方を確認しました。さらに、股関節の回旋と片脚で立ったときの安定性を見て、膝だけに負担が集中していないかを整理しました。
実際に行った施術とその狙い
足の甲や足首まわりをやさしく動かし、続いてふくらはぎと股関節まわりの緊張を整えました。その後、かかとから足裏全体へ体重を移す練習と、膝が内外へぶれすぎない範囲での片脚立ちを行いました。靴だけを原因と決めず、足元から股関節までが一緒に働きやすい状態を目指しています。
新しい靴は、痛みが強い日に急に長時間使うより、体調の良い日に短時間から試す方が変化を見分けやすくなります。靴を替えた日、歩いた時間、痛みが出た場面を簡単に記録すると、合う・合わないを感覚だけで決めずに済みます。
まとめ
膝と靴の相性は、靴だけでなく足首・股関節・活動量によって変わります。ひとつの靴に答えを求めるより、身体の状態と使用時間を確認しながら段階的に試すことが大切です。
このようなお悩みがある方へ
靴を変えてから膝が気になる、歩くと足元が安定しない、片脚で立つとぐらつくと感じる方は、足元と股関節の動きを一緒に確認してみませんか。ご予約はこちらからどうぞ。
参考文献
1. Hinman RS, et al. Unloading Shoes for Self-management of Knee Osteoarthritis: A Randomized Trial. Ann Intern Med. 2016;165:381–389. PMID: 27398991. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27398991/
2. Jones RK, et al. The effect of different types of insoles or shoe modifications on medial loading of the knee in persons with medial knee osteoarthritis: a randomised trial. J Orthop Res. 2015;33:1646–1654. PMID: 25991385. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25991385/




