長く座った後、立ち上がると腰が痛い——内ももと股関節まで確認した例
予約のきっかけ——座っている間より、立つ瞬間がつらい
Bさん(仮名)は、座り続けた後に立ち上がろうとすると腰が痛み、右の内ももにも強い張りを感じていました。症状には波があり、長時間のデスクワークが続いた後ほど立ち始めが気になるため、腰だけでなく脚との関係も確認したいと予約されました。
長く座った後の痛みは、同じ姿勢の継続、活動量、睡眠、過去の症状など複数の要素に左右されます。「座り方が悪いから」と一つに決めず、どの姿勢がどのくらい続くとつらいか、立って何歩ほどで変わるかまで整理すると対策を立てやすくなります。
座りっぱなしを中断する研究から分かること
首や腰の痛みが起こりやすいオフィスワーカー193人を12か月追跡した無作為化比較試験では、こまめに動く休憩を取る群、姿勢を変える群、対照群を比較しました。痛みの再発率はそれぞれ21%、18%、44%でした。ただし、職場で行った複合的な介入の結果であり、すべての腰痛に同じ割合が当てはまるわけではありません。
図2・職場での休憩・姿勢変更と首腰痛の再発率

図が示す内容と注意点:12か月の再発率は、活動的な休憩群21%、姿勢変更群18%、対照群44%でした。対象は「痛みが起こるリスクが高い」と判定されたオフィスワーカーで、個別の施術効果を示す図ではありません。出典:Waongenngarm et al., Occup Environ Med. 2021. PMID: 34450361。
施術前に確認したこと
椅子から立つ動作を実際に行い、身体を前へ倒すタイミング、足裏への体重移動、左右の股関節の使い方を確認しました。あわせて、仰向けで脚を開閉する動き、股関節を曲げる動き、内ももの張り方を左右で比べました。
実際に行った施術とその狙い
お尻の奥や股関節まわり、内ももの緊張を確認し、強い痛みを出さない圧でゆっくり動かしました。次に、足を床へ置く位置を調整し、股関節から身体を前へ傾けて立つ練習を行いました。腰を勢いよく反らして立つのではなく、足と股関節を使って重心を移すことが狙いです。
ジムでの運動については、レッグプレスを無理に深くしないこと、膝や腰に痛みが出ない範囲から始めることをお伝えしました。脚を外へ開くマシンも、重量を追うより骨盤が大きく傾かない範囲で丁寧に行うよう調整しました。
ご自宅や職場でできる工夫
痛みを我慢して座り続けるより、作業の区切りで一度立つ、数歩歩く、座る向きを変えるなど小さな中断を作ります。立つときは息を止めず、足裏に体重が移ってから身体を起こしてみてください。
このようなお悩みがある方へ
長時間座った後に腰が痛い、立ち上がりの一歩目が不安、腰と一緒に内ももやお尻も張る方は、椅子から立つ動作と股関節の使い方を確認してみませんか。ご予約はこちらからどうぞ。
参考文献
1. Waongenngarm P, et al. The effects of active break and postural shift interventions on recovery from and recurrence of neck and low back pain in office workers: a 3-arm cluster-randomized controlled trial. Occup Environ Med. 2021. PMID: 34450361. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34450361/
2. Gibbs BB, et al. Reducing sedentary behaviour to decrease chronic low back pain: the Stand Back randomised trial. Occup Environ Med. 2018;75:321–327. PMID: 29330230. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29330230/




