腰・首・肩が気になり、ゴルフでうまく回れない——全身のつながりを確認した例
予約のきっかけ——痛みをかばううちにスイングも窮屈に
Aさん(仮名)は、以前から腰や首、肩のつらさを繰り返していました。今回は、身体を右へひねると反対側の腰が気になり、ゴルフでも体重移動がうまくいかない感覚があったため、身体の状態をもう一度確認したいと予約されました。肩や肘にも負担を感じ、腕だけでクラブを振っているような窮屈さもあったそうです。
ひねる動作の痛みは、腰だけで決まるとは限りません。足裏の体重のかかり方、股関節、骨盤、胸まわり、肩の動きが順番よくつながっているかを見ていく必要があります。
ゴルフの回転は、腰だけの仕事ではありません
プロゴルファー15人を計測した研究では、スイング中の腰椎と股関節の回旋には連動があり、ダウンスイングの時期によって腰と左右の股関節の役割が変わることが報告されています。これは「股関節を動かせば腰痛が治る」という意味ではありませんが、腰だけを切り離して見ない理由の一つになります。
また、アマチュアゴルファーの観察研究では、腰痛のある群でリード脚の股関節内旋可動域が小さい傾向がありました。ただし観察研究なので、可動域の小ささが腰痛の原因だとは断定できません。
図1・腰痛の有無で比較したリード脚の股関節内旋可動域

図が示す内容と注意点:受動的な内旋可動域の平均は、腰痛あり群21.14度、腰痛なし群31.06度でした。能動的な内旋可動域はそれぞれ21.46度、28.06度でした。個人差があり、因果関係を示す結果ではありません。出典:Tsai et al., Phys Ther Sport. 2010;11:131–135. PMID: 19897166。
施術前に確認したこと
まず、立った姿勢で左右どちらへ体重が寄りやすいかを確認しました。次に、身体を左右へひねる、前へ傾ける、片側へ体重を移す動きを比べました。さらに、股関節と骨盤が動くタイミング、胸まわりの回転、肩と肘の曲げ伸ばしを一つずつ確認しました。
実際に行った施術とその狙い
腰だけを強く押すのではなく、背中、肋骨まわり、骨盤、お尻、股関節の緊張を確かめながら、痛みを強めない範囲で動かしました。その後、足裏で床を感じながら骨盤を小さく回す練習、骨盤の動きに胸まわりを合わせる練習、最後に肩と腕をつないだ小さなスイング動作を行いました。
狙いは、肩や腰の一か所だけで無理に回るのではなく、「足元→骨盤→体幹→腕」と力が伝わる感覚を探すことです。施術後は同じひねり動作を再確認し、左右差や痛みの出方がどう変わるかをご本人と共有しました。
ご自宅で気をつけること
強くひねるストレッチをいきなり行うより、まずは小さな体重移動と、呼吸を止めない範囲の回旋から始めます。翌日まで痛みが強く残る場合は、回数や振り幅を減らしてください。
このようなお悩みがある方へ
ゴルフで腰や肩が気になる、片側だけ回りにくい、腕だけで振っている感じがする方は、痛む場所だけでなく全身の動きのつながりを確認してみませんか。ご予約はこちらから受け付けています。
参考文献
1. Mun F, et al. Kinematic relationship between rotation of lumbar spine and hip joints during golf swing in professional golfers. Biomed Eng Online. 2015;14:41. PMID: 25971396. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25971396/
2. Tsai YS, et al. The relationship between hip rotation range of movement and low back pain prevalence in amateur golfers. Phys Ther Sport. 2010;11:131–135. PMID: 19897166. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19897166/




