長年続く腰の奥の痛み——硬い場所だけを原因と決めないために
予約のきっかけ——長年残る腰の奥の痛み
Bさん(仮名)は、長年続く腰の奥の痛みがなかなか軽くならず、座る時間が長い日や前にかがむ動作でつらさが増えるため予約されました。以前からケアを続けて骨盤の動きには変化が出ていましたが、腰を反らしたまま前へ倒れる癖と、深い場所の違和感が残っていました。
慢性腰痛では、筋肉や関節の状態だけでなく、動作、活動量、睡眠、仕事上の負担、痛みへの不安などが重なります。「深い筋肉が硬いから治らない」と断定せず、どの場面で困るか、時間とともにどう変化するかを整理します。
慢性腰痛では複数の進め方が研究されています
慢性非特異的腰痛172人を対象にした無作為化試験では、有酸素運動と筋力練習、本人に必要な活動を段階的に増やす練習、その両方が比較されました。1年後まで評価されましたが、公開抄録だけでは各群の平均値や信頼区間を十分に確認できず、特定の方法が誰にでも最良とは言えません。
重要なのは、画像や触診の一か所だけに答えを求めず、生活上の目標に合わせて動ける範囲を広げることです。長く続いた症状ほど、強い刺激で一度に変えようとせず、反応を見ながら段階を踏みます。
施術前に確認したこと
まず、立った状態で前へかがんだときに背中と骨盤がどの順番で動くかを確認しました。腰を反ったまま倒れていないか、左右の股関節を内外へ回せるか、椅子から立つときに腰へ力が集中していないかも見ました。
実際に行った施術とその狙い
腰の硬い一点だけを押し続けず、内もも、股関節まわり、骨盤と肋骨の間にある筋肉へ順番に働きかけました。目的は、腰だけで身体を支える状態を減らし、股関節と背中にも動きを分担してもらうことです。その後、息を止めずに背中を少し丸め、股関節から前へ動く練習を行いました。
施術後は同じ前屈と立ち上がりをもう一度行い、腰の奥の感覚と動き方を確認しました。セルフケアでは、痛い部分を強く押すのではなく、短い歩行、呼吸を止めない前屈、座る時間を区切ることから始めます。
まとめ
長年の腰痛では、触って硬い場所だけを「根本原因」と決めないことが大切です。困っている動作と生活上の負荷を具体化し、施術と運動の反応を確かめながら少しずつ選択肢を増やします。
長く続く腰の違和感でお悩みの方へ
座る時間が長いと腰の奥が重くなる方、前にかがむと腰ばかりに力が入ると感じる方は、一度ご相談・ご予約ください。
ご予約・お問い合わせ:https://www.mutsucareroom.com
参考文献
1. Smeets RJEM, et al. Chronic low back pain: physical training, graded activity with problem solving training, or both? The one-year post-treatment results of a randomized controlled trial. Pain. 2008;134:263–276. PMID: 17498879. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17498879/
2. Ferreira ML, et al. Comparison of general exercise, motor control exercise and spinal manipulative therapy for chronic low back pain. Pain. 2007;131:31–37. PMID: 17250965. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17250965/

