荷物運びの後から膝が痛い——階段と歩数をいったん調整する考え方
予約のきっかけ——荷物運びの後から階段がつらい
Aさん(仮名)は、荷物を運ぶ作業が続いた後から膝の内側が痛み、普段の歩行や階段の下りがつらくなったため予約されました。健康のために続けている歩行を休むべきか、どの程度なら動いてよいのかも知りたいというご相談でした。
急に活動量が増えた後の膝痛には、筋肉や腱、関節周囲など複数の組織が関係する可能性があります。痛む場所だけで診断を決めることはできません。腫れ、熱感、体重をかけられるか、膝が引っかかるかを確認し、負荷を調整します。
階段下りは膝の能力を多く使う動作です
若年者と高齢者の階段下りを測定した研究では、階段を下りる際の膝関節モーメントは似ていましたが、各自の最大能力に対する割合は高齢者42%、若年者30%でした。年齢だけで個人の痛みを説明できませんが、同じ階段でも身体の余力によって負担感が変わり得ることを示します。
図1・階段下りで使われた膝の最大能力に対する割合

図が示す内容と注意点:高齢者群42%、若年者群30%でした。これは健康な参加者の実験室での測定で、Aさん(仮名)の膝痛の原因を示すものではありません。出典:Reeves et al., J Electromyogr Kinesiol. 2008;18:218–227. PMID 17822923。
施術前に確認したこと
まず、膝が腫れていないか、どこを押すと痛むか、曲げ伸ばしがどこまでできるかを確認しました。次に、足首を前へ曲げる動き、股関節を内外へ回す動き、片脚へ体重を移したときの膝の向きと痛みを見ました。膝だけでなく、足首や股関節が動きにくいことで膝へ負担が集まっていないかを整理するためです。
実際に行った施術とその狙い
膝の痛い場所を強く押すのではなく、太ももとふくらはぎの緊張をゆるめ、足首と股関節が動きやすくなるように少しずつ働きかけました。その後、椅子からの立ち上がりと片脚への体重移動を行い、膝が内側へ入りすぎず、足裏全体で身体を支えられる位置を一緒に確認しました。
施術後は、同じ動作で痛みや動かしやすさがどう変わるかを再確認しました。歩数は目標を守ることより、翌日に痛みを残さない量を探すことが先です。階段では手すりを使い、急いで下りないようにします。歩行で痛みが増える日は距離を短くし、負荷の少ない運動へ一時的に置き換えます。
まとめ
活動量が急に増えた後の膝痛では、歩くことを完全に諦めるのではなく、階段と歩数をいったん調整し、反応を見ながら戻します。痛みの場所だけでなく、足首・股関節・日々の負荷を一緒に確認していきます。
同じような膝の悩みがある方へ
荷物運びや歩く量が増えた後から膝が痛む方、階段の下りで膝に不安がある方は、一度ご相談・ご予約ください。
ご予約・お問い合わせ:https://www.mutsucareroom.com
参考文献
1. Reeves ND, et al. The demands of stair descent relative to maximum capacities in elderly and young adults. J Electromyogr Kinesiol. 2008;18:218–227. PMID: 17822923. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17822923/
2. Costigan PA, et al. Knee and hip kinetics during normal stair climbing. Gait Posture. 2002;16:31–37. PMID: 12127184. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12127184/

