投げると肩が痛く、日常でも気になる——肩甲骨と腕の連動を確認した例
予約のきっかけ——投球時だけだった痛みが日常動作にも
Eさん(仮名)は、投げる動作で右肩に痛みを感じる状態がしばらく続いていました。最近は日常で腕を動かすときにも気になるため、投球を続けてよいか、身体のどこに負担が集まっているかを確認したいと予約されました。
投球時の肩痛は、肩関節だけでなく、肩甲骨、胸まわり、体幹、下半身から腕へ伝わる力の流れが関係します。ただし、動作の特徴だけで腱や関節唇などの損傷を診断することはできません。
肩甲骨は投球中に三次元的に動きます
症状のない成人20人の低速投球を三次元計測した研究では、肩甲骨は投球の局面に応じて外旋・上方回旋・傾きが変化していました。「肩甲骨を寄せたまま」「下げたまま」のように固定するより、腕に合わせて動けることが大切です。なお、対象は痛みのない成人で、痛みの原因や治療効果を示す研究ではありません。
施術前に確認したこと
腕を前・横から上げる動き、肩を内外へひねる動き、肩甲骨が肋骨の上を動く様子を確認しました。次に、ゆっくりした投球動作を局面に分け、腕を上げたとき、身体をひねったとき、腕を前へ振り出したときの痛みを比べました。
実際に行った施術とその狙い
肩の前後、肩甲骨まわり、胸まわりの緊張を確認し、痛みを強めない範囲で動かしました。その後、肩甲骨を肋骨に沿って上方へ動かす練習、腕を低い位置からゆっくり上げる練習、体幹の回転と腕の振りを小さくつなぐ練習を行いました。
必要に応じてサポート用のテーピング方法も説明しましたが、テープは損傷を治すものではありません。目的は動作中の気づきを得ることと、一時的に負担を調整することです。施術後は同じ動作で痛みが出る角度と腕の振りやすさを比べました。
投球再開は段階的に
痛みが少ないからと急に全力投球へ戻さず、距離、球数、強さを一つずつ増やします。転倒や衝突後から痛む、夜間痛が強い、急に力が入らない、肩が外れそうな感じがある場合は、整形外科などでの評価を優先してください。
このようなお悩みがある方へ
投げると肩が痛い、腕を上げると肩甲骨まわりが詰まる、日常動作でも肩が気になる方は、肩だけでなく体幹から腕までの動きを確認してみませんか。ご予約はこちらから受け付けています。
参考文献
1. Meyer KE, et al. Three-dimensional scapular kinematics during the throwing motion. J Appl Biomech. 2008;24:24–34. PMID: 18309180. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18309180/

