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体が硬いのに痛くないなら問題ない?|症状の有無だけで判断しない身体の見方

  • 6 日前
  • 読了時間: 3分

首や肩がとても硬くても、本人はほとんどつらさを感じていないことがあります。


反対に、触った印象では強い硬さがなくても、痛みを訴える方もいます。


今回は、慢性的な凝りがあるのに症状をほとんど感じていなかったBさんの例から、「硬さ」と「痛み」を同じものとして考えてよいのかを整理します。



硬さと痛みは必ずしも一致しない


Bさんの首や肩には、触れたときにはっきり分かる硬さがありました。


しかし、頭痛や強い肩こりなどの自覚症状はほとんどありませんでした。


首の筋肉の硬さを超音波で調べた研究では、慢性的な首の痛みがある女性と症状のない女性との間で、測定した筋硬度に有意差は認められませんでした。


痛みのある群の中央値は11.6kPa、症状のない群は13.3kPaで、単純に「硬いほど痛い」という結果ではありませんでした。

図1 首の痛みの有無と、測定された筋硬度

この図は、慢性的な首の痛みがある群と症状のない群で測定された首の筋硬度の中央値を比較したものです。数値は症状のない群の方が高く、群間に有意差は認められませんでした。筋硬度だけで痛みの有無や原因を判断できるという意味ではありません。
この図は、慢性的な首の痛みがある群と症状のない群で測定された首の筋硬度の中央値を比較したものです。数値は症状のない群の方が高く、群間に有意差は認められませんでした。筋硬度だけで痛みの有無や原因を判断できるという意味ではありません。

この研究だけですべての肩こりを説明することはできませんが、硬さと痛みを一対一で結びつけられないことは分かります。



痛くないことと、十分に動けることは別


痛みがないと、「身体に問題はない」と考えがちです。


しかし、日常生活の範囲が狭ければ、動きの制限があっても困らないことがあります。


Bさんの場合、腕を上げる動きや背中を動かす課題を行うと、首・肩・背中がそれぞれ独立して動きにくい場面がありました。


痛みが出ていなくても、特定の作業やスポーツで動きの範囲が広くなったとき、初めて負担として表れる可能性があります。



日常動作では「代わりの動き」が起こる


たとえば、前かがみになりながら腕を上げる作業を考えてみましょう。


胸郭や肩が十分に動かなければ、首を強く曲げたり、腰を丸めたりして目的の位置へ手を運べます。


作業そのものはできるため、本人は制限に気づかないことがあります。


しかし、同じ場所で繰り返し補う状態が続けば、首や腰へ負担が偏る可能性があります。



施術や運動の前後で変化を見る


身体の評価では、一回触って「硬い」「柔らかい」と決めるだけでは十分ではありません。


腕を上げる、首を回す、前屈するなど、本人に必要な動きを確認します。


そのうえで、身体の一部を動かした後に同じ動作がどう変わるかを比べます。


変化があれば、その場所が動作に関わっていた可能性を考えられます。


ただし、短時間で動きが変わったことだけで、痛みの原因を断定することはできません。



症状の有無だけでなく、できることを見る


身体の状態を見るときは、痛いかどうかだけでなく、左右差、動かしやすさ、疲れやすさ、動いた後の回復なども大切です。


Bさんのように症状が少ない場合は、不安をあおる必要はありません。


むしろ、日常で困っている動作があるか、以前より動きにくくなっていないかを確認し、必要な範囲で身体を動かすことが現実的です。


急な痛み、しびれ、脱力、発熱などを伴う場合は、自己判断で運動を続けず医療機関へ相談してください。



参考文献


Dieterich AV, et al. Neck Muscle Stiffness Measured With Shear Wave Elastography in Women With Chronic Nonspecific Neck Pain. J Orthop Sports Phys Ther. 2020.


Alshami AM, et al. Strength and Range of Motion in the Contralateral Side to Pain and Pain-Free Regions in Unilateral Chronic Nonspecific Neck Pain Patients. J Manipulative Physiol Ther. 2019.


※本記事は施術中の会話を、個人が特定されないよう内容を一部変更して構成しています。

 
 

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